いつもは都心部に向かうために田園都市線を利用している。皆さまご存知の通り、日本でも指折りの混雑区間で乗り降りしているので、普段は車両などよく見ちゃいない。しかし今日は午前中に世田谷方面に戻る用事があり、空いている田園都市線に乗ることに。混雑の無い車両に乗りながら「ああ快適。逆方向通勤にあこがれるなあ」などと夢想していると、心地いい理由が混んでいないだけではないことに気づいた。
車両自体が心地いいのだ。あきらかに新しいデザイン。え、こんなのに乗ってたっけ?と思うくらい新鮮。まずは写真をご覧あれ。床がフローリング仕立てなのですよ。入口そばはダークブラウン。中側は白木調。先日、木材を使用した新国立競技場がお披露目になり、設計者である隈研吾さんが言っていたコメントを思い出した。これからの建築物は、より癒しの機能が求められ、動物の巣(ネスト)のような空間になると。
ネストのような複雑で不均一な構造が主流になるらしい。リノベーションの流行や、カフェの内装などにすでにその傾向が見られると。確かに、単にフローリング・デザインになっただけなのに妙に落ち着く。よく見ると、座席の背もたれも直線ではなく、山並みのように席ごとに曲線を描いている。個々の座席配分を分からせる機能と同時に、やわらかな印象を見せることで癒しに貢献しているようだ。
サイトで調べてみたら、他にも驚きの工夫がいっぱいだった。空調にはナノイーを搭載。深呼吸してもいいな(笑)。防犯カメラも複数設置。悪いことはできませんね。車いすやベビーカーのコーナーも広く取っている。まだ全車両がこの仕様ではないようだが、順次交換していくのだそうだ。2018年から走っているこの車両、「2020型」という名前であった。2020年東京五輪に向けての「くふう」のひとつとして、世界に自慢していいんじゃないかな。