フンコロ式でいこう!

まあ取り合えずコロコロ転がしてけば大丈夫、かな。

オチは梨ということで

Su-eat 訳あり 完熟 味極み 梨 品種おまかせ 約3キロ 減農薬 長野県 小布施町産

『ばらの根に ミルクの罐や 梨の皮』 寺田寅彦

さすが寺田虎彦、ハイカラな句を書くなあ。昨日はミカンのことを書いた。それで秋のフルーツについては終わろうと思ったのだが、ふと梨のことを思い出した。梨は、第3の位置が似合う気がする。以前書いた『ハリスン的』だ。(※ビートルズにおけるジョージ・ハリスンの位置を3番目と仮定。競い合う1番目2番目とは異なる余裕のあるユニークな位置とし、僕が独断と偏見をもって形容する言葉。)

 

梨にはリンゴやみかんのようなリキミが無い。甘さも浅めだし、歯ごたえも淡白だ。そこが魅力的である。栄養も頑張っていない気がする。だが、梨が置いてあるテーブルはユニークに見える。リンゴが元気、みかんが庶民、をイメージするとしたら、梨は個性ではなかろうか。「俺は違うけど何か?」と言ってるような。セザンヌは果実をよく描いているが『砂糖入れ、梨とテーブルクロス』など梨の絵がいい。

 

梨園』という言葉の響きにも個性と美しさを感じる。元々は中国の唐の時代の宮廷音楽家養成所のことだそうだ。それが転じて、日本では歌舞伎俳優の社会を意味するようになったのだとか。一般社会とは異なる、高級でアーティスティックな世界。梨の香りが漂う庭園で宮廷音楽を練習する情景を想像するとうっとりしてしまう。

 

梨のことを考えるといい風景ばかり浮かぶので、あえて梨でミステリーを書くというのはどうだろうと妄想してみた。「梨とピストル」、「午後三時、長十郎は見ていた」、「梨狩りは殺しの後で」、「梨園密室殺人事件」、、、。あかんな(笑)。やはりジューシーすぎて緊迫感が無いや。いいかげんなフルーツ妄想も、これにて「無し」ということに。お後がよろしいようで。